不動産売却時の税金について、計算方法から節税対策まで解説

不動産売却時の税金は、種類や計算方法が複雑で、売却益から想像以上にお金が減ってしまうこともあります。 この記事では、不動産売却でかかる税金の種類や計算方法、さらに税金を抑えるための特例や節税対策までわかりやすく解説します。 不動産売却で損をしないためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。

不動産売却でかかる税金の種類

所得税

不動産を売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して所得税が課税されます。利益が出なかった場合は、所得税はかかりません。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得は、「譲渡価格」から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて計算します。

譲渡所得 = 譲渡価格 - 取得費 - 譲渡費用

  1. 譲渡価格:不動産を売却して得た金額
  2. 取得費:不動産の購入にかかった費用(購入代金、手数料など)
  3. 譲渡費用:不動産の売却にかかった費用(仲介手数料、印紙税など)

詳しくは土地や建物を売ったときをご覧ください。

短期所有と長期所有で税率が違う

不動産の所有期間によって、税率が異なります。

所有期間税率(所得税)税率(住民税)
5年以下(短期所有)39%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税13.5%、事業税4.5%)13.5%
5年超(長期所有)20%(所得税15%、復興特別所得税0.21%、住民税5%)5%

短期所有の場合、税率が高くなるため注意が必要です。

参考:譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

住民税

不動産の譲渡所得に対して、所得税と合わせて住民税も課税されます。住民税の税率は、所有期間が5年以下であれば13.5%、5年を超える場合は5%です。

印紙税

不動産の売買契約書には、印紙税がかかります。印紙税額は、売買契約書の金額によって異なります。

契約金額印紙税額
500万円以下1万円
500万円超~1,000万円以下2万円
1,000万円超~5,000万円以下契約金額×1000分の3+5万円
5,000万円超~1億円以下契約金額×1000分の5+10万円
1億円超~10億円以下契約金額×1000分の6+20万円
10億円超契約金額×1000分の1+40万円

税金の計算に必要な費用

不動産売却でかかる税金は、売却価格から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いた金額に対して課税されます。そのため、税金を計算する上で、取得費と譲渡費用は非常に重要です。

取得費

取得費とは、その不動産を取得するために直接かかった費用のことです。具体的には、以下の費用が挙げられます。

参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3252.htm(国税庁)

取得費に含まれるもの

  • 購入代金
  • 不動産会社への仲介手数料
  • ローン手数料
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 印紙税
  • 測量費
  • 建物建築費(新築の場合)
  • 増築費用
  • 改良費用(資産価値を高めるための費用)

これらの費用を、領収書や契約書などの書類に基づいて計算する必要があります。ただし、長期間所有している不動産の場合、これらの書類が残っていないケースもあるでしょう。その場合は、概算取得費を使うことも可能です。

概算取得費

概算取得費とは、取得費の領収書などがなく、実際に支払った金額がわからない場合に、一定の計算式を用いて算出する取得費のことです。概算取得費は、以下のいずれか大きい方の金額となります。

  • 建物の取得価格 × 経過年数に応じた法定耐用年数に対する残存割合
  • 売却価格 × 5%

ただし、築年数が古い物件や、相続や贈与で取得した物件の場合には、概算取得費を利用できないケースもあります。

譲渡費用

譲渡費用とは、不動産を売却するために直接かかった費用のことです。具体的には、以下の費用が挙げられます。

参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3255.htm(譲渡費用)

譲渡費用に含まれるもの

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 印紙税
  • 測量費
  • 解体費用
  • 抵当権抹消費用
  • 売却に伴う広告費
  • 引っ越し費用

譲渡費用は、売却価格から控除できるため、しっかりと計算して計上することが重要です。

費用計算方法の例
不動産会社への仲介手数料売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税 ※
印紙税売買契約書に記載された金額によって異なります。

※ 売却価格が400万円を超える場合

これらの費用も、領収書や契約書などの書類に基づいて計算する必要があります。譲渡費用を計算することで、税金の負担を軽減できる可能性があります。

不動産売却で使える特例

3,000万円特別控除

不動産売却で利益が出た場合(譲渡所得が出た場合)に、一定の条件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。

この特例は、マイホームを売却して利益が出た場合に、その利益の一部を非課税にすることで、住み替えを支援することを目的としています。

3,000万円特別控除が適用される条件

3,000万円特別控除を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 売却した家が「居住用財産」であること
  2. 売却する年の1月1日において、その家と敷地を合わせて200平方メートル以下であること(敷地の広さが200平方メートルを超える場合でも、一定の要件を満たせば適用可能です)
  3. その家を取得してから売却するまでの間に、マイホームとして住んでいた期間が3年以上あること
  4. 売却した年の前年及び売却した年から2年後の1月1日において、日本国内に自分の持ち家がないこと(配偶者や世帯員が持ち家を持っている場合は適用されません)
  5. その家を取得する際に、特定の住宅ローン以外のローンを利用していないこと

適用例

例えば、10年前に4,000万円で購入したマイホームを、5,000万円で売却した場合、譲渡所得は1,000万円となります。この場合、3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は0円となり、所得税はかかりません。

住み替え特例

マイホームを売却して、一定期間内に新しい家を購入した場合に、一定の条件を満たせば、売却によって得た利益に対して所得税の課税を繰り延べることができる制度です。

この特例は、住み替えによって住宅を買い替える場合に、税負担を軽減することで、円滑な住み替えを支援することを目的としています。

住み替え特例が適用される条件

住み替え特例を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 売却した家が「居住用財産」であること
  2. 売却した家を取得してから売却するまでの間に、マイホームとして住んでいた期間が3年以上あること
  3. 売却した年の前年及び売却した年から2年後の1月1日において、日本国内に自分の持ち家がないこと(配偶者や世帯員が持ち家を持っている場合は適用されません)
  4. 売却した日から1年以内に、新しい家を購入すること(または注文住宅の場合には建築を請け負うこと)
  5. 新しい家の購入金額(建築請負契約金額)が、売却した家の購入金額以上であること

適用例

例えば、10年前に4,000万円で購入したマイホームを、5,000万円で売却し、1年以内に6,000万円の新しい家を購入した場合、住み替え特例を適用することができます。この場合、売却益1,000万円に対する所得税の課税は繰り延べられ、新しい家の取得費は5,000万円(6,000万円-1,000万円)となります。

3,000万円特別控除と住み替え特例の併用

3,000万円特別控除と住み替え特例は、どちらもマイホームの売却益に対する税金対策として有効な制度ですが、併用することはできません。どちらの特例を適用するのが有利かは、ケースバイケースで判断する必要があります。

3,000万円特別控除住み替え特例
メリット譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる 要件を満たせば、所得税がゼロになる可能性がある売却益に対する課税を繰り延べることができる 新しい住宅の取得費用を抑えることができる
デメリット住み替え特例と併用できない 適用要件が厳しい3,000万円特別控除と併用できない 新しい住宅を売却する際に、繰り延べた税金が課税される

どちらの特例が適用できるか、どちらの特例を適用するのが有利かは、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

節税対策

不動産売却で税金を少しでも抑えるためには、いくつかの節税対策を検討する必要があります。ここでは、有効な節税対策について詳しく解説します。

売却時期を調整する

不動産売却による利益は、所有期間によって税率が変わるため、売却するタイミングが重要になります。短期所有と長期所有の違いを理解し、ご自身の状況に合わせて売却時期を検討しましょう。

短期所有と長期所有の税率の違い

不動産の所有期間が5年以下の場合は短期所有、5年を超える場合は長期所有となり、税率は以下のようになります。

所有期間税率(所得税)税率(住民税)
短期所有(5年以下)39.63%13.04%
長期所有(5年超)20.315%6.77%

上記の通り、長期所有の方が税率が低くなるため、売却益を抑えるためには、5年以上所有してから売却することが有効です。

出典:譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

所有期間の計算方法

所有期間は、原則として不動産を取得した日(取得日)の翌日から売却した日(譲渡日)までで計算します。ただし、取得日や譲渡日が1日に満たない場合は、1日として計算します。

不動産会社選びも重要

不動産会社によって、売却活動にかかる費用やサービス内容が異なります。そのため、複数の不動産会社を比較し、自分に合った会社を選ぶことが重要です。ぜひ当社にもご相談ください。

不動産会社報酬の比較

不動産会社に支払う報酬のうち仲介手数料は、法律で上限額が定められていますが、会社によっては割引を行っている場合があります。また、場合によっては広告費や調査費という費目で請求される場合もあります。そのため、事前に複数の不動産会社に見積もりを取り、比較することが重要です。

売却活動の内容

不動産会社によって、売却活動の内容は異なります。例えば、広告宣伝の方法や販売活動の頻度などが異なるため、事前に確認することが大切です。また、売却活動の報告をこまめに行ってくれる会社を選ぶことも重要です。

譲渡費用を計上する

不動産売却時には、仲介手数料や印紙税などの費用が発生します。これらの費用は譲渡費用として、譲渡所得から控除することができます。忘れずに計上することで、税負担を軽減できます。

計上できる譲渡費用の種類

譲渡費用として計上できる主なものは以下の通りです。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 測量費
  • 登記費用
  • 不動産鑑定評価費用
  • 建物解体費用
  • 立退料

ただし、それぞれの費用が認められるためには、売却した不動産に直接関係する費用であることが必要です。領収書などを保管しておき、確定申告の際に備えましょう。

専門家への相談

不動産売却における税金は複雑で、自身だけで判断することが難しい場合もあります。税理士などの専門家に相談することで、最適な節税対策を検討することができます。

まとめ

三和地所下関本店では、下関市とその周辺エリアを中心に、賃貸物件・売買物件を数多くご紹介しております。また、賃貸管理・マイホームの新築や中古のリフォーム・不動産活用や相続のコンサル等、お気軽にご相談ください。