
「不動産相続って具体的に何をすればいいの?」「相続でもめるって聞くけど、どうすればいい?」そんな疑問をお持ちではありませんか?この記事では、不動産相続の基本から具体的な流れ、注意点、専門家への相談、関連制度まで、分かりやすく解説します。遺産分割協議の進め方や相続税対策など、円滑な不動産相続を実現するための情報が満載です。この記事で不安が解消されれば幸いです。
不動産相続の基本
不動産相続とは
不動産相続とは、亡くなった人の所有していた不動産(土地や建物)が、民法で定められた相続人に引き継がれることをいいます。不動産は、現金や預貯金と比べて分割が難しく、相続人同士の関係性や財産の状況によっては、相続争いに発展しやすいので注意が必要です。
不動産相続の対象となるもの
不動産相続の対象となるものは、主に以下のとおりです。
- 土地
- 建物(戸建て住宅、マンション、アパートなど)
- 借地権
- 底地権
これらの不動産に加えて、不動産に付随する権利や義務も相続の対象となります。例えば、抵当権が付いている不動産を相続した場合は、その抵当権も一緒に相続することになります。また、アパートを相続した場合は、入居者との賃貸借契約も引き継ぐことになります。
不動産相続の基礎知識
不動産相続には、いくつかの重要な基礎知識があります。これらの知識を理解しておくことで、相続手続きをスムーズに進めることができます。
相続人
相続人は、民法で定められており、以下の順番で決定します。
- 配偶者
- 子
- 親
- 兄弟姉妹
子が既に亡くなっている場合は、その子に代わって、直系卑属(孫やひ孫)が相続人となります。また、親が既に亡くなっている場合は、直系尊属(祖父母)が相続人となります。兄弟姉妹には、代襲相続は認められていません。
相続の順位と割合
| 順位 | 相続人 | 法定相続分 |
|---|---|---|
| 1 | 配偶者 子 | 配偶者:1/2 子:1/2 |
| 2 | 配偶者 親 | 配偶者:2/3 親:1/3 |
| 3 | 配偶者 兄弟姉妹 | 配偶者:3/4 兄弟姉妹:1/4 |
代襲相続
代襲相続とは、相続人が相続開始前に死亡したり、相続欠格事由に該当したりした場合に、その相続人の代わりに、その直系卑属が相続人となる制度です。例えば、被相続人の子が相続開始前に死亡していた場合、その子の代わりに、孫が相続人となります。
相続放棄
相続放棄とは、相続人が、被相続人の財産を相続することを放棄する制度です。相続放棄をする場合は、家庭裁判所への申述が必要です。相続放棄は、相続開始を知ってから3か月以内に行わなければなりません。相続放棄をした場合、最初から相続人ではなかったものとみなされます。
不動産を相続したときの活用方法
不動産を相続したら、後述する相続税を支払う必要があります。また、公平な遺産分割をしたい場合など、売却をするという選択肢が1つにはあるでしょう。しかし、親から引き継いだもの、できれば売りたくないという思いを持つ方も当然多くいらっしゃいます。
以下に、売る以外の選択肢をお示しします。その土地に合った活用方法を見定める必要もあり、詳しくは当社など専門家にご相談ください。
賃貸経営

賃貸経営のメリット
- 安定収入を得られる
- 土地の資産価値を維持できる
- 相続税対策になる
賃貸経営のデメリット
- 初期費用がかかる
- 空室リスクがある
- 建物の維持管理が必要
- 賃借人とのトラブルの可能性
駐車場経営

駐車場経営のメリット
- 初期費用が比較的安い
- 管理が比較的容易
- 需要が見込める地域では安定収入を得やすい
駐車場経営のデメリット
- 収益は他の活用方法と比べて低い
- 利用者の回転率によって収益が変動する
- 近隣に競合が多いと収益が難しい
トランクルーム経営

トランクルーム経営のメリット
- 需要増加傾向にある
- 比較的少ない投資で始められる
- 管理が比較的容易
トランクルーム経営のデメリット
- 競合が多い
- 立地条件の影響を受けやすい
- 収益は他の活用方法と比べて低い
太陽光発電

太陽光発電のメリット
- 環境に優しい
- 売電収入を得られる
- 長期的に安定収入を得られる
太陽光発電のデメリット
- 初期費用が高い
- 天候に左右される
- 設備のメンテナンスが必要
- 売電価格の変動リスク
不動産相続の流れ
不動産相続は、大きく分けて以下の7つの流れに沿って進みます。
- 相続の準備
- 相続の発生
- 相続財産の確定
- 相続方法の決定
- 相続手続き
- 不動産の名義変更(相続登記)
- 相続税の申告と納税
それぞれの流れについて、詳しく見ていきましょう。
相続の準備
相続は、誰にでも起こり得る人生の一大事です。相続発生後に慌てることのないよう、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
相続の準備としてできること
- 相続財産の確認と把握:不動産、預貯金、株式、保険などの種類や金額を把握しておきましょう。 国税庁のウェブサイトなどを参考にするとよいでしょう。
- 相続人の確認:誰が相続人になるのか、民法で定められた相続の順位や割合などを確認しておきましょう。 法務省のウェブサイトなどを参考にすると、相続人を整理できます。
- 遺言書の作成:相続の方法や財産の分配について、自身の意思を明確に示すために遺言書を作成しておきましょう。 遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。それぞれの作成方法やメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った方法で作成しましょう。
- 相続税対策:生前に不動産などを贈与するなど、相続税対策を検討することも有効です。ただし、贈与税の規定なども考慮する必要があるため、専門家への相談も検討しましょう。
相続の発生
被相続人が亡くなると、相続が発生します。これにより、被相続人の財産は相続人に受け継がれることになります。
相続財産の確定
相続が発生したら、まずは相続財産を確定させる必要があります。プラスの財産(不動産、預貯金、株式、保険金など)だけでなく、マイナスの財産(借金、未払金など)も含まれることに注意が必要です。
相続財産の範囲を明確にする
- 不動産:登記簿謄本を取得して、所有者や所在地、面積などを確認します。
- 預貯金:残高証明書を取得して、金融機関名や口座番号、残高などを確認します。
- 株式:証券会社に問い合わせて、銘柄名や株数、評価額などを確認します。
- 保険金:保険証券を確認して、保険の種類や保険金額、受取人などを確認します。
- 借金:債権者に問い合わせて、借入金額や返済状況などを確認します。
相続方法の決定
相続財産が確定したら、次は相続方法を決定します。相続方法には、「単純承認」「相続放棄」「限定承認」の3つがあります。
| 相続方法 | 内容 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 単純承認 | プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続する | 手続きが比較的簡単 | マイナスの財産も相続してしまうため、自己破産する可能性もある |
| 相続放棄 | プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続しない | マイナスの財産を相続せずに済む | プラスの財産も相続できない |
| 限定承認 | 相続した財産の範囲内で、マイナスの財産を弁済する | マイナスの財産を限定的に相続できる | 手続きが複雑 |
遺産分割協議
相続人が複数いる場合、誰がどの財産を相続するかを決める「遺産分割協議」が必要になります。遺産分割協議は、相続人全員で話し合って、合意によって決定します。
遺産分割協議がまとまらない場合
遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に「調停」を申し立てることができます。それでも解決しない場合は、「審判」によって最終的な決定がなされます。
相続手続き
相続方法が決まったら、各種手続きを進めていきます。必要書類を収集し、各機関に提出する必要があります。
相続手続きの種類
- 相続登記:不動産の名義変更
- 預貯金の解約・払い戻し
- 株式の名義変更
- 自動車の名義変更
- 年金受給手続き
不動産の名義変更(相続登記)
相続した不動産は、放置せずに速やかに名義変更(相続登記)を行いましょう。相続登記を怠ると、不動産を売却できなかったり、後々相続人が増えることで手続きが複雑になる可能性があります。
相続登記に必要な書類
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 固定資産税評価証明書
- 遺産分割協議書
相続税の申告と納税
相続税は、相続によって取得した財産にかかる税金です。相続税の申告は、相続開始を知った日から10か月以内に行う必要があります。
相続税の計算
相続税は、相続財産の総額から基礎控除額を差し引いた金額を元に計算されます。基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。
相続税の納税
相続税の納税は、原則として現金で行います。ただし、相続税の納税が困難な場合は、延納や物納などの制度を利用することも可能です。
不動産相続の注意点
不動産相続は、手続きを進める上で注意すべき点がいくつかあります。ここでは、特に重要なポイントとして、相続税、不動産の評価、相続人間でのトラブル、専門家への相談について詳しく解説します。
相続税
不動産相続において、無視できないのが相続税の存在です。相続税は、相続によって取得した財産に対して課される税金です。
相続税の計算方法
相続税の計算は複雑で、以下の要素を考慮する必要があります。
- 課税対象となる財産: 不動産以外にも、現金、預貯金、株式、自動車なども含まれます。
- 基礎控除: 相続税には基礎控除が設定されており、基礎控除額以下の相続財産であれば、相続税はかかりません。基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算されます。
- 相続税率: 相続税率は、課税価格に応じて段階的に設定されています。
- 控除: 相続税の計算において、さまざまな控除が適用できます。例えば、配偶者控除、未成年者控除などがあります。
具体的な相続税額を把握するためには、税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。
相続税の申告と納付
相続税の申告は、相続開始を知った日から10ヶ月以内に行う必要があります。期限内に申告・納付を行わない場合は、延滞税や加算税が課される可能性があります。
不動産の評価
相続税の計算や遺産分割協議において、不動産の評価は非常に重要です。不動産の評価額によって、相続税額や相続人それぞれの取得財産の割合が大きく変わる可能性があります。
不動産の評価方法は、大きく分けて以下の3つがあります。
- 路線価方式: 土地が道路に接している場合に適用される評価方法で、路線価を基に計算します。
- 倍率方式: 路線価が設定されていない土地に適用される評価方法で、固定資産税評価額を基に計算します。
- 不動産鑑定評価: 不動産の専門家である不動産鑑定士が、現地調査などを実施し、評価額を算出します。
相続税の申告には、原則として路線価方式または倍率方式が用いられます。ただし、場合によっては、不動産鑑定評価が必要となることもあります。
相続人間でのトラブル
不動産相続では、相続人間で遺産分割協議がまとまらず、トラブルに発展することが少なくありません。特に、不動産は分割が難しく、感情的な対立も生じやすいため、注意が必要です。
主なトラブルの原因としては、以下のようなものがあります。
- 不動産の評価額に対する意見の相違
- 誰が不動産を相続するかについての意見の相違
- 過去の贈与に関する問題
相続人間でのトラブルを避けるためには、事前にしっかりと話し合い、合意形成を図ることが重要です。
専門家への相談
不動産相続は、手続きが複雑で専門知識も必要となるため、専門家へ相談することがおすすめです。
弁護士
遺産分割協議や相続放棄などの手続き、相続に関するトラブル解決をサポートしてくれます。
税理士
相続税の申告手続き、相続税対策などをサポートしてくれます。
司法書士
不動産登記などの手続きをサポートしてくれます。
不動産会社・不動産鑑定士
不動産の売却、不動産の評価などをサポートしてくれます。ぜひ当社にご相談ください。
専門家は、それぞれの専門知識や経験に基づいて、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。早め早めに専門家に相談することで、スムーズな相続手続きを進めることができるでしょう。
不動産相続に関連する制度
遺言
遺言とは、遺言者が自分の死後のために、財産の処分や身分上の事項などを決めておく最終的な意思表示のことです。遺言を残しておくことで、相続手続きをスムーズに進めることができます。また、自分の意思を明確に伝えることで、相続人間でのトラブルを防止することもできます。
遺言には、大きく分けて以下の3つの種類があります。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者が全文、日付、氏名を自筆し、押印して作成する遺言です。費用がかからず、手軽に作成できるというメリットがありますが、形式の不備により無効となる可能性がある点に注意が必要です。
自筆証書遺言のメリット
- 費用がかからない
- 手軽に作成できる
- 秘密性が保たれる
自筆証書遺言のデメリット
- 形式の不備により無効となる可能性がある
- 保管方法によっては、紛失や改ざんの恐れがある
公正証書遺言
公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、公証役場で公証人に遺言の内容を伝え、公証人が作成する遺言です。費用はかかりますが、公証人が法律に基づいて作成するため、形式の不備により無効となる可能性が低いというメリットがあります。
公正証書遺言のメリット
- 形式の不備により無効となる可能性が低い
- 公証役場で保管されるため、紛失や改ざんの恐れがない
公正証書遺言のデメリット
- 費用がかかる
- 証人が必要
- 秘密性が低い
秘密証書遺言
秘密証書遺言は、遺言者が遺言書を作成し、これを封じて証人2人以上の立会いのもと、公証役場に提出する遺言です。遺言の内容を秘密にできるというメリットがありますが、自筆証書遺言と同様に、形式の不備により無効となる可能性がある点に注意が必要です。
秘密証書遺言のメリット
- 遺言の内容を秘密にできる
秘密証書遺言のデメリット
- 形式の不備により無効となる可能性がある
- 証人が必要
配偶者居住権
配偶者居住権とは、相続開始時に被相続人の配偶者が、被相続人が所有していた建物に住み続ける権利を保障する制度です。2020年4月の民法改正によって創設されました。従来は、自宅を相続する権利を持つ相続人が複数いる場合、配偶者は自宅に住み続けるために、他の相続人から自宅を買い取ったり、高額な代償金を支払ったりする必要がありました。しかし、配偶者居住権を設定することで、配偶者は無償または対価を支払って自宅に住み続けることができるようになりました。
配偶者居住権の設定方法
配偶者居住権は、以下のいずれかの方法で設定することができます。
- 被相続人の遺言による設定
- 相続人全員の協議による設定
配偶者居住権の内容
- 対象となる財産:被相続人が所有していた建物(借家権は対象外)
- 期間:配偶者が死亡するまで、または当事者間で定めた期間
- 対価:無償とすることも、対価を支払うことも可能
まとめ
この記事では、不動産相続の基本から流れ、注意点、関連制度までを網羅的に解説しました。不動産相続は、相続人や相続財産、相続方法など、検討すべき要素が多く、手続きも複雑になりがちです。円滑な相続を実現するためには、事前の準備や相続人同士の話し合いが重要になります。
また、状況によっては、弁護士や税理士などの専門家のサポートが必要となるケースもあります。相続に関する疑問や不安があれば、専門家へ相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。
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